都市伝説解体センターの話
昨日の日記にも書いたけど、既読ぶんのおさらいが終わったので未読分を自分でプレイするなど。なかなか面白くて最後までプレイしてしまった。個人的な評価としては「ふつうに面白かった」くらいのところで、じゅうぶんプレイした価値はあったなと。読後感もすっきり気持ちよく、うまくまとまったミステリ・ライトノベルを読み切ったなという満足感が味わえた。「都市伝説」というテーマのキャッチーさ、魅力的な登場人物たち、そして印象的な最後のオチをあわせて思い出に残る体験だったと言えると思う。
一方で、ミステリ的に120点の歴史的傑作というほどの面白さだったかと言われると、まあ管理人の正体あたりのくだりは展開としてあんまり驚きのあるオチではなく、ミステリとしてはやや典型的やなというのも印象としてはあった。このへんは小説とゲームというメディアの違いかもしれない。
というのも、小説でのミステリは言ってしまえば「どんな卑怯なことをしても、どんなどんでん返しを持ってきても読者はついてくる」という構造がある。読者が次のページに進むのに必要なのはページをめくる指だけで、べつに読者はトリックなんかわからなくても推理は主人公に任せて読み進めることができる。なんなら既出の情報だけで読者が推理可能である必要すらない(このへんはジャンルによる)。
一方で推理ゲームはそうではない。推理ゲームという構造を取る以上はプレイヤーは主人公を操作して推理を完遂しないと次のページに進むことはできない。つまり、プレイヤーにストーリーもトリックもある程度は理解できるレベルで提示しないとゲーム自体が成立させられないのだ。そのため、いざ推理!というパートまでの間に、どうしても展開が示唆的になるというのは避けづらいのかもしれない。
この構造の違いが、どうしても小説と比べて「どんでん返しのカタルシス」があんまり強くなりづらいんだろうな〜というのがちょっと見えて、推理ゲームのデザインの難しさだなと思った。ましてや普段ミステリに触れているわけではないプレイヤーも気持ちよく物語を読み終えられる必要がある今作では、これがギリギリかつ最善のラインであったのかもしれない。
久しぶりにガッツリとノベルゲームをやってかなり楽しかったので、ATRI の続きと、まのさばもそろそろプレイしようかなと思っています。来月にはサクラノ詩の記念版が届くはずなので、それも楽しみにしつつ。
ミステリのはなし
せっかくなので、もし都市伝説解体センターでミステリ作品に興味を持った人のために、わたしのお気に入りのミステリを2本紹介しておこうと思う。どちらもエンタメ感満点の楽しく読める作品なので、機会があれば触れてみてほしい。
姑獲鳥の夏(著・京極夏彦)
ある意味では都市伝説解体センターという作品の原点かもしれない(と勝手に想像している)。
終戦からしばらくたった昭和27年・夏の東京。雑司ヶ谷の病院にまつわる奇怪な噂と事件、その関係者と主人公との奇妙な過去の縁。事件の真相と、拝み屋が解き明かす妖怪の正体とは。
姑獲鳥の夏(1)【電子百鬼夜行】 (講談社文庫) Kindle版
陽気なギャングが地球を回す(著・伊坂幸太郎)
伏線の回収と気持ちいいカタルシスを楽しむなら伊坂幸太郎。
特殊な体質や特技を持つ4人の銀行強盗。いつものように計画通りに強盗を進めていたらまさかの大誤算。とにかく息もつかせぬスピーディーな展開と、軽妙な掛け合いがたまらない1作。
今日の一曲の話
特に何も関係ないけど、せっかくなので聞いた曲をこれから日記の末尾につけていこうと思うので良かったら聞いてみてください。